「じゃぁ 行ってくるネ」
「あぁ 行ってらっしゃい。飲みすぎんなよ、お酒。時間になったらいつもんとこ迎え行くから …」
「はぁ〜い」
♪ きた〜へぇ〜 みなみへぇ〜 ひがしへ にし〜へぇ〜 ♪
バーコード親爺やオババ、そしてアマちゃんに別れを告げ、
小鈴ちゃんの「ボディーガード」になった福ちゃんは、
その日から、小鈴ちゃんのそばに居るようになりました。
「さぁ、掃除でも始めるか…」
掃除・洗濯・食事の用意と、すっかり小鈴ちゃんの主夫になった福ちゃんは、
毎日張り切っていました。小鈴ちゃんの部屋も、新婚家庭の様子です。

いつもの時間に、いつものように小鈴ちゃんを迎えに行きました。
「たらいま〜ぁ、福ちゃん。」 酔っているようです。
「どうしたんだよ、小鈴ちゃん。」
「きょうはさぁ〜 厭な客ついちゃってさぁ〜 ガブ飲みしちゃったぁ〜 バカやろ〜」
抱きかかえるようにして連れて帰り、寝かせようと何とか布団の中へ入れました。
「福ちゃん… あたし もうイヤだ いまのしごと…」 少し、涙ぐんでいます。
「何があったんだよ 話してごらん」 小鈴ちゃんのそばで、優しく語りかけました。
「福ちゃんはあたしにとってゼッタイ必要な人だよ。だけど、福ちゃんにとってあたしは… 」
「たいせつだよ。ボクには小鈴ちゃんなしの人生なんて考えられないよ。ほんとだよ。」
「ほんと? ほんとに? … 」
「うん ほんとうに」
「福ちゃん…」

その日、二人は愛を確認しあいました…